「京都おもてなしとライフスタイル」の授業で「河村能舞台」に行きました。

国際観光学部「京都おもてなしとライフスタイル」の授業では、いろんなところへ学外実習に出かけて行きます。
今回は、取材班にあたった4年生の今田さんのレポートです。


「能楽おもしろ講座」を体験して

4月15日、私たちは京都今出川駅の2番出口から北へ120メートルのところにある「河村能舞台」に行きました。ここは、日本の伝統文化である能を見て体験できる場所です。今回は河村純子さんによる「能楽おもしろ講座」を体験してきました。

まず初めに、能とは何かを教えてもらいました。日本人のほとんどは「能」と聞くとイメージが浮かぶと思いますが、詳しくどういうものかを聞かれると知らない人が多いと思います。能は京都という風土が育んだ700年近く続く日本の代表的な古典芸能です。

建物の中に入ると真ん中に本舞台があり、その左側に橋掛かりがあります。この橋掛かりは、能の役は幽霊が多いので、あの世とこの世を繋ぐ役割をしています。橋掛かりの前にある松は、この世である本舞台からあの世に近づくにつれて小さくなるといった工夫がされ、死者からのメッセージを現世に伝えています。

能は舞台の上で足踏みをすることによって音がなるのが印象的ですが、床下には人が入れるくらいの大きな甕が設置されています。演者が足踏みをすることで発生する空気振動が甕の空洞の中に伝わり、いろんな方向に反響することで音を作りだします。これで、能の怒りや驚きなどの様々な感情を表現することができます。その後は能面について学び、顔の角度によっては違う表情に見える仕掛けがされていることを知りました。小面(こおもて)は15~16歳くらいの若い女性で、一番可愛い能面だとされているそうです。

能についてある程度学んだあとは、実際に能の装束体験、和楽器体験、足袋を履いて舞台に上がる体験をさせてもらいました。いろんな装束があります。着方によっては身分の違いを表しているそうです。和楽器体験では掛け声と共に小鼓(こつづみ)を叩きました。叩き方や小鼓の革を締めている調べ緒を調節することによって様々な音がなります。足袋を履いて舞台に上がったあとは、前を向きながらすり足で歩く体験をしました。行き過ぎると舞台から落ちてしまうので、板の目が変わる足の感覚を頼りに進むのが、スリルがありました。

最後に能楽鑑賞をしたのですが、近くで見た能の迫力は凄く、増えた知識と実際に体験した観点からも見ることができたので、とても充実していました。コロナウイルスが終息したあとには、外国人を含むたくさんの人たちに日本の古典芸能である能を知ってもらえたらいいなと思いました。