チャペルのオルガンが甦りました!

数年前から何かと調子の悪かったチャペルのオルガンですが、意を決して東京から修理のできる方に来ていただくことになりました。というのもこのオルガンはドイツのAHLBORNという会社の製品なのですが、日本代理店であったクロダオルガンが廃業し、さらに本社もイタリアの工場を残して廃業してしまったので修理のできる方が非常に限られているのです。日本では2、3人しかいないのだとか…。

中を開けるとこんな感じです。意外とスカスカですね。黒いスピーカーは最近取り替えたものです。

これは音源の基盤です。いくつか鳴りの悪いストップがあったのですが抜き差しを繰り返すと無事に鳴るようになりました。中でもペダルのいくつかのストップはある音域以上になると全く鳴らない状態で、基盤を取り外して持ち帰って修理ということになりそうだったのですが、時間がかかるということで一旦元に戻すとなぜか直ってしまいました(笑)。

鍵盤を持ち上げた開けたところです。鍵盤を押すと横に伸びている金属棒に各鍵盤に付いているバネ状のものが当たり、スイッチが入って音が鳴る仕組みです。一番の問題であった特定の鍵盤の音が断続的に鳴ってしまうという症状は、この金属棒が錆びていたことが原因でした。耐水ペーパーで磨くことで無事音が正常に鳴るようになりました。ただ経年劣化でまた音が鳴らなくなることもあり得るそうで、高温多湿の日本では致し方ないということでした。

これはコンビネーションを記憶しておくための電池です。若干液漏れしていたので交換していただきました。基盤から離れて設置されているのは液漏れした時に他の部品に影響がないようにするためです。

その他にもスエルペダルの調整などもしていただきました。3時間ほどの作業の結果、見事にチャペルのオルガンは息を吹き返しました!現在はHauptwerkなどのバーチャル・パイプオルガンソフトも普及し手軽に高音質のオルガンサウンドを楽しめるようになりましたが、昔ながらの8bitの音源もなかなか味わい深いものがあります。クロダオルガンの奥田様、本当にありがとうございました!