礼拝堂の「色」について

2022年が明けました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

さて、礼拝堂に足を踏み入れた時に、正面のテーブル(聖卓、オールターと言います)にかかっている布が目に入ると思います。訪れるタイミングによって色が変わっていることにお気づきでしょうか。

この記事を書いている1月11日は、顕現日(1月6日:三人の博士がイエスさまを訪問して宝物をおささげした日。教会ではこの日まで降誕節・クリスマスシーズンと考えます)をすぎ、顕現節に入りました。祭壇の布(フロンタルと言います)は「緑」です。

これが復活日(2022年は4月17日)の前の40日(正確には日曜日を加えると46日前、2022年は3月2日)から、イエスさまの受難と復活の出来事を覚える「大斎節」に入ります。この時期、フロンタルは「紫」となります。

復活節の前1週間(復活前の週)はイエスさまの受難のできごとを覚えて、祭色は「赤」となります。この赤色は、復活日から50日目の「聖霊降臨日」(2022年は6月5日)や殉教者を記念する祝日にも用いられます。

復活日から聖霊降臨日までの49日間(「復活節」、2022年は4月17日から6月4日)と、降誕日(クリスマス)から顕現日までの降誕節は、祭色が「白」となります)[i]

ややこしいですね。教会の暦について一年間のおおまかな流れをまとめると下図[ii]になります。礼拝堂に立ち寄った時に、その時の色が何色なのか、ちょっと意識してみても面白いかもしれません。(チャプレン 中尾貢三子)

[i] ご葬儀(通夜式・葬送式)や結婚式の時、洗礼などの入信の式などにも「白」を用います。大学の礼拝堂(チャペル)ではその機会は少ないと思いますが。

[ii] 図の出典:日本聖公会京都教区ウェブサイト「聖公会カレンダー」より

https://www.nskk.org/kyoto/calendar/index.html (2022年1月11日閲覧)