2月10日(木)、聖アグネス寮、最後の退寮式をチャペルにて行いました。
新型コロナウイルス感染防止のため時間短縮のもと、無事に最後の退寮式、最後の寮行事とすることができました。学長先生とは直接お会いすることはできませんでしたが、オンラインでご臨席いただき、お祝いの言葉をいただくことができました。
先ほどから繰り返し「最後」と申し上げましたが、これは卒業する私に限った話ではありません。高槻キャンパス開学とともに35年の歴史を刻んできた聖アグネス寮は、今年度をもって閉寮するのです。「退寮した1年後くらいに寮を訪問し、寮母さんにほんの少し成長している姿を見せに行く」という小さな夢があったのですが、それを叶えることができなくなってしまいました。一つ故郷をなくしたような気持ちで、本当に寂しく思います。
退寮式終了後にはお別れ会がありました。来年度から閉寮するため「退寮生」は寮生全員となるのですが、短期大学部保育科2年の1名、子ども教育学科の4年生6名が卒業を迎える退寮生として一人ずつ、感謝の言葉を述べました。「1年で寮をやめるつもりだったけれど、過ごしてみると寮生活は楽しく、気づいたら4年間が終わってしまった」「初めは不安ばかりの寮生活だったけれど、いつでも話ができる仲間ができてよかった」など、それぞれ2年間、4年間の寮生活を振り返りました。
この4年間は、どこから思い出すとよいのか整理がつけられないほど数々の思い出ができました。集団での生活はもちろん楽しいことだけではありませんでした。東は千葉、南は沖縄など、本当に様々な地域からの学生が集いました。方言によって「それってどういう意味?」と会話が反れることが何度もありました。もし「4年間の寮生活を一言で表すのなら?」という質問があれば、「みんなちがってみんないい‼」と答えるでしょう。どんなに苦しかったことでも今となっては時効を迎え、全て笑いあって話すことができる良い思い出となっています。
コロナ禍になる前までは、本当に多くの寮行事がありました。新年度の始めには入寮式、その1週間後には新入生歓迎会、夏にはスポーツ大会と夏祭り、クリスマス前にはクリスマス礼拝・祝会、そして退寮式、それに加えて2週間に一度の晩祷と2か月に一度の誕生日会がありました。寮生委員を務めていた頃は、「どうしてこんなに寮行事があるんや!」と、ほんの少し心を乱してしまうこともありました。しかし、それらは、あの時にしかできなかったかけがえのない時間だったのだと思っています。
そして、そう思い返すと同時にコロナ禍になってからでも入寮してくれた1・2年にとって寮生活はどのようなものであったか、少し気掛かりに思います。この2年間は、自分の部屋を一歩出るとマスクをつける生活でした。新年度が始まり「入寮生の顔と名前を早く覚えよう」と思っても、心の距離を縮められる生活も寮行事もありませんでした。それにやっと顔と名前が一致したと思えば、緊急事態宣言によってオンライン授業となり予定外の帰省を何度もしなければなりませんでした。
寮生に限らず、誰しもが思い描いていた学生生活を送ることが難しかった2年間だったと思います。ニュースでも「○○大学の寮でクラスターが発生した」というようなことを耳にしました。そんな中でも寮生が出来る限り寮生活を送ることができるようにと、教職員の皆様によって守られてきました。
毎日の生活を近くで守ってくださった寮母さん。私たち寮生の生活をいつも祈ってくださったチャプレン。何かあればいつでも対応してくださった学生サービスの職員の方々。どんなに些細な悩みでも親身になって話を聞いてくださった大学の先生方。本当に多くの方に支えられて、私たちの寮生活がありました。聖アグネス寮に携わってくださった皆様、今まで本当にありがとうございました。皆様からいただいた温かい心を忘れずに、最後の退寮生として恥じぬよう、それぞれが新しい環境での生活を歩んでいきます(A. I.)。