7月13日(木)「京都のおもてなしとライフスタイル」の授業で長楽館を見学しました

7月13日(木)、「京都のおもてなしとライフスタイル」の授業で円山公園の南に位置する長楽館へ伺いました。

伊藤博文により「長い楽しみ」という意味を込めて名付けられた長楽館は、ヨーロッパの様々な建築様式が組み込まれた歴史的建造物で、実業家 村井吉兵衛が迎賓館として使用していた洋館です。
設計はJ.M.ガーディナー。同氏は平安女学院が礼拝堂として使用している聖アグネス教会も手掛けています。


はじめに「貴婦人の間」に集まり、広報の三浦 唯様より長楽館の歴史と沿革をご説明いただき、館内をご案内いただきました。


バカラ社製シャンデリアが設えられたロココ様式の応接間「迎賓の間」ではアフターヌーンティーを楽しめます。


イスラムのモスクのレリーフが壁面に施され、季節のお菓子や煙草をモチーフにしたお菓子などが購入できる「CHOURAKUKAN BOUTIQUE」


ビリヤードを楽しむための一室だった、ステンドグラスが美しい半地下の「球戯の間」


かつては村井吉兵衛の書斎、現在はホテルフロントならびに宿泊者専用プライベートバーとして使用されている「LIBRARY BAR MADEIRA」


植物文様のレリーフや華やかなシャンデリアが豪華なフレンチレストラン「ル シェーヌ」


伊藤博文の直筆の扁額や、螺鈿の長椅子(京都市指定有形文化財)が設えられた「喫煙の間」


建築当時は美術室として使われており、京都の画家・中村白玲氏が描いた紫陽花の絵が印象的な 「美術の間」


寝室として使われていた名残で短いアプローチを抜けて入室する「鳳凰の間」は、メープル社の象嵌細工で作られた家具(京都市指定有形文化財)が設えられています。


当時、鏡そのものが富の象徴と言われていた所以ですべてのお部屋に大きな鏡が備え付けられ、至る所に村井の家紋である三つ柏が散りばめられています。各お部屋それぞれの特徴があり、カフェ利用の際にどのお部屋になるかはおまかせなので、ランダム要素もお楽しみの一つです。


通常は非公開の「長楽庵」と「御成の間」も特別に見せていただきました。
長楽庵は表千家にある書院形式の「残月亭」の写しと伝えられるお茶室で、窓ガラスには当時の和ガラスが残されています。
折上格天井の和室にバカラ社製のシャンデリアを配した「御成の間」は純度の高い金箔が使われた襖に囲まれており、釘隠しや格天井の錺金具にも三つ柏が彫られていました。


「貴婦人の間」に戻り、お待ちかねのティータイム。デザートカフェ長楽館の人気スイーツ 「ミルフォイユ」を頂きました。ナイフを使わなくても食べられるほど軽い生地と自家製の濃厚カスタードにキャラメルアイスが添えられており、大満足のボリュームでした。


不易流行を見極め、より長い楽しみをご提供され続ける長楽館。
国際観光学部では、継続すべきことと変化すべきことにも着目して京都の観光のあり方についての理解を深めていきます。